今日は今までで一番、家から近いところでの本番でした。
そして初めてがもうひとつ。
その、今日の仕事=オケの音教(学校での音楽教室プログラム)で初めてトップを務めました。
音教といえば、この業界に入りたてホヤホヤ新人状態だった頃から、いろいろなオケでよく使ってもらってきた仕事で、今までにどのくらい弾いてきたことか・・
一番こなれた仕事と言えます。
私は自他共に認めるtutti奏者だから、一生に一度もtopに座ることなどないはずなのですが、このオケでは私をtopやtop sideという席に、なぜか使ってくれます。。
他のプログラム(定期公演などの一般的なコンサート)でtopに座ることの方が大変なことのように思ってきましたが、音教には音教ならではの大切な勤めがあります。
それは。。。
「楽器紹介」というおきまりのコーナーで、団員の皆さんを背に短いフレーズの「ソロを弾く」ことです!
この、団員の皆さんを背に、というのが、私は自分の心臓では絶対にできない(そんな仕事来るはずないからできるかできないか考える必要などなかったけど)と思ってきた、とてつもないプレッシャーのかかる業務だと思ってきました。
なので、topを務める方々を尊敬の目で見てきました。
だってその楽器の特徴や素晴らしさ・楽しさを、たったの20〜30秒で魅せつけて、子供達を虜にさせられるんですから。
そしてそれを百戦錬磨の団員さんたちの厳しい評価の視線を背中に感じながら、楽しげに弾いて見せるんですから。
子供達も正直で、ダメなものには興味を持ってはくれないし。。
これまでにtopという業務を務めたことはなくはないのに、音教でのtop業だけは初めてだったことに、今回初めて気がつきました。
依頼を受けてから、さぁ何を弾こう???というのが悩みのタネになりました。
急な依頼だったので、新しい曲を仕込む余裕はなく、自分が今すぐ弾けるものをあれこれ引っ張り出して。
ヴィオラらしい太くて豊かな低音を聴かせたい。
でもただゆったりしてるのではつまらないから、少し小気味良い曲で、高い音から一番最低音までいろんな音を聴かせられる短い曲はないものか???
30秒弾いても良いならこの曲、40秒弾いて良いならこの曲、でもとにかく短くという指示が来たら20秒で弾けるこの曲…
、と3曲ほど候補にあげて。
40秒弾けたら結構魅力的な部分を弾けるからこの曲が弾きたいなぁ、と思っていたけれど、リハの終わりに確認したら「15秒で」と言われてしまった・・・・・・・。
仕方ない。
20秒のあの曲をちょっぱやで弾こう。。
それにしても緊張する。
そもそも私はあがり症なのだ。。
そして本番。
ステージに出て見たら。
なんと、子供達がお行儀よく制服を着て楽しげに見てる。
お行儀良いのはこの学校の躾なのだろう。
躾の行き届いた子供って、良いようだけど、実はやりにくい。
騒がないように教育されすぎて子供らしい素直な反応が返ってこないことが多いから。
なんて考えていたら左にあらず。
行儀が良いけれど、ものすごく自由な雰囲気でのびのびした子たち。
目が生き生きしてて、本当に楽しんでくれてるし、演奏にも こちらの問いかけにも、ものすごく当たり前に反応してくれました。
そんな子供達のおかげでこちらも笑顔がこぼれることがしばしば。
楽器紹介のソロも難なく(相変わらず緊張はしてたけど)こなすことができました。
自分の地元の有名私立の小学校。
こんなに可愛い子たちがまっすぐ育ってることにも、地元民として誇らしく思いました。
自分の演奏についてはもっともっと精進し続けるとして。
とにかく良い思い出として心に残る仕事でした。
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